幸福な猫

幸福な猫

新宿のメイドバーでお給仕する月詠みことのブログです。

日記 2020.07.05

日記。面白い文章を書くぞ、長い文章を書くぞ、みたいな肩の力を抜けば、毎日でも更新できそうだと思えるようになってきた。とはいえ、まだ三日目。三日坊主になるフラグは、全然折り切れていないよ。明日もちゃんと更新できると良いな。と、本日分の本題に入る前から、思ったりするなど。


職場でイベントがある日だった。元アイドルのメイドさん(しかも昨晩、再びアイドルデビューの決まった)の誕生日イベント。それはもう、盛り上がっていた。過去に彼女が所属していたグループのオタクさんたちが大集結して「あの時のオタク仲間がこんなに集まるのは久しぶりだ」と言っていたのが、なんとなく印象的だった。同じアイドルを応援していた人同士が会う機会は、そのアイドルがいなくなれば、当たり前に減る。が、こうやって彼女がメイドとして会える場所を作っていることで、「あの頃」のように会うことができた。これはオタクさんたちにとっても、きっとありがたいことなんだろうな。みんな幸せそうで、私も心が穏やかだった。


さて、最近、とくに今日なんかも、お給仕していて強く思うことなのだが、他のメイドさん方のお給仕力がどんどん上がっているのだ。今日みたいに忙しい日は、とくに思う。私のやることが、気がつくと何にもなくて、困ってしまうほど。私はこの店舗で二年以上お給仕しているのだが、最初の頃に比べて、自分の負担が十分の一くらいになった(体感)。メイドさんたちが、どんどん素敵なメイドさんになっていってる証拠なんだろうな。仕事量がシンプルに減ったので、相対的に、何もしてないような気持ちになる。すごく申し訳なくなる。もしかして、今一番足を引っ張っているのは、私なのではと思うほど。副店長のくせに弱気なことを言うのは良くないが、元から常にそういう不安を抱えながらお給仕している。

私は"副店長"という、自分の立場を考慮した上で、私が成長しなくては他のメイドも成長できないと思っていたので、常に成長しなければ、みたいな、強迫観念に近いなにかを抱えている。しかし、私の意思は良い方に置き去りにされて、他のメイドさん方はどんどん成長してゆく。私がビビってしまうくらい。私の与える影響ってあんまないな、とか思った。なんか、お恥ずかしいが、これを前向きに捉えたいね。もう少し、自由にやれるんじゃないかな、みたいな。人を育てなきゃいけない、みたいな意識、邪魔になる時もあるのだなあと再確認した。

一人で旅行した時、居酒屋で隣の席に座ったオカマの人に怒られたのを思い出した。「誰かを育てたいなんて気持ちは、慢心している証拠よ。接客業に上も下もないの。後輩から学ぶ気持ちで頑張りなさい。」要約。うーん。その通り。あまりにも正論。ちょっと悔しいけどさ、そう思うんだよ。なら、そうしようぜ。この言葉、たまに思い出しては、心の中でゆっくりと噛み締める。ありがとう、福岡のオカマさん。私は全方面から学ぶせてもらいます。そのためには、もっと人をよく見たいな。メイドさんもご主人様も。見てるようで見えてなさそうで、怖いのです。核を見失わないように。