幸福な猫

幸福な猫

新宿のメイドバーでお給仕する月詠みことのブログです。

他生物とぶつかることを予測したストレスで死ぬマンボウ

自分は一人なんだと、言い聞かせている。そうしないと落ち着かない。なんだか自分は自分だけのものじゃないような感覚がある。守りたいものが多いからかな。引っ越してきたこの家を筆頭に、守らなきゃって思うものが、すごく増えた。職場、友人、家族、家、無駄なものをたくさん減らしてきて、今手の中に残ったこれらは、全て必要だから、手の中にいるはずなんだけど、それが怖くてしょうがない。

 

毎日、部屋にいると不安になる。この部屋で暮らすために、私は働かなきゃいけなくて、働くためには健康でいなきゃいけなくて、健康でいるためには心身をある程度コントロールできるようにしなきゃいけなくて、そのためには…。そうやって、やらなきゃいけないこと、できなきゃいけないこと、前はこんなに多くなかったのに、と思ってしまう。生きていく上で必要なものに、雁字搦めにされている。これはなくていいや項目が、こんなにも少ないなんて。

病的にフットワークが重いこの私が、部屋を借りるための手続きや買い物ができたことは、周りの人たちの協力のおかげでしかない。自分の力ではないと思っている。しかし、この部屋を守れないと判断し、ここから逃げたくなったら、同じくらいかそれ以上の手続きなど、やることがてんこ盛り。そう思うとぞっとする。すべての物事、始まるときには終わりまで考えて杞憂する。これも同じこと。毎日この部屋から出たくなったらどうしようと考えるだけで、とても苦しくなる。出たくなってないのに、出たくなるときのことを考えて、不安で出たくなってしまう。あれだね、マンボウは他の生物とぶつかることを予測したストレスで死ぬっていう、ネットのデマと同じ。私はインターネットマンボウだったのかもしれないな。なんの心配もしたくないのに、毎日なにかの心配をしている。安心していい時なんかなくて、安心した隙をついて、なにか攻撃されるんじゃないかと、そんな風に思っている。戦ってるみたいだね。戦うの、嫌いなんだけどな。

 

いや、初めての一人暮らしで、情緒が安定していないのは、自分でもよくわかるんだけど、この安アパートに住むだけで崩れる精神とは、という気持ちにもなるよね。「守るもの(安アパート)」ってなによ。妻子持ちのサラリーマンでも、こんな泣き言言わないわよ。

常に人様に甘えまくって生きているのに、さらに何かに甘えたくなる。どこまで人に甘えれば気が済むんだろう。頑張らないと誰も許してくれないから、頑張らなきゃいけない。それでも無条件で許されたい。存在してるだけで、オッケーにならないかな。生きることは痛いんだね。